海洋法制定へ
1967年、彼は自分の考えを実行に移しました。
他の代表と同じように、パルドは国連総会の開会式に出席し、その席で彼は、地球上最後の開拓地で何が起こりつつあるのかということについて熱弁をふるいました。
彼の警告は、現行の国際法には、工業先進国の深海に関する占有権の要求を阻む取り決めが何もない、というものでした。
植民地時代に何が起こったかを思い起こしてみるがいい、と彼は示唆しました。
もし、何もしなければ、深海は100年前のアフリカとなんら変わらなくなってしまうでしょう。
開発する技術力の優劣によって、数か国の手で地図を直線で分断することになってしまいます。
そうした事態を防ぐために、彼は各国代表に、深海は「人類の共有遺産」(法律上の無人地帯という現状を、共有地域という考え方に改変する)である、と決議するよう説き伏せました。
また彼は、各国がそれぞれ一方的に深海域を専有することのできないようにし、かわりに国連憲章の精神で、深海域を開発していく条件を取り決めるべきであると提案しました。
もしもその海域でなんらかの採集物があったならば、それはより貧しい国々に分け与えられるべきでしょう。
これを実現する唯一の方法は、彼の考えでは、国際的な機関を設け、それが全世界に代わる保管委員として、深海の管理を託されるようにするということでした。