自然による環境診断 3

将来さまざまなエネルギー用地開発や工場立地、都市、住宅団地、道路奮の交通施設が建設される過程において、あるいは発電所・工場の稼働、有害等による直接の、また土壌・地下水の汚染を介する間の諸影響によって、移動能力のない個々の植物の集まりとしての植物群が急に消滅したり、退行・貧化したりする場合がでてくることがあるかもしれません。


その様な場合には、人間も含めた生物集団の生存状態や生態系に大きな影響を与えている危険性があります。


したがって、モニタリングによって、その後の時間の経過にともなう自然環境・生物環境の動態の把握を十分行う必要があります。


とくに発電所・工場だけでなく、道路・下水・廃棄物処理場などの建設後に、地下水位の低下、植林、農作物の被害、社寺林の荒廃、農作物生産量低下などが生じ、事業者が訴えられる事例がしばしばあります。


これはあとの調査結果だけでは水かけ論になります。


各種事業の建設着手以前に、事前アセスメントとしての緑の診断図・現存植生図の作成は、その後に紛争が生じた場合の公正な問題解決の基本としても、きわめて重要な前提条件といえます。


現存植生図は、緑の現状診断図としての機能を果たします。


つまり、それは自然利用計画・各種土地利用計画に応じ、さらに植生・生態系の質・対象に応じた保護地、面積の決定や施策の生態学的な判断基準の役割を果たす大きな力をもつのです。

自然による環境診断 2

団緑の国勢調査環境庁により5年ごとに作成されている各都道府県別の現存植生図は、自然環境保全法による緑の国勢調査に基づいています。


継続的な現地調査を基礎にした植生図の作成およびその推移の比較は、国土がどのように新しいさまざまな人間活動によって改変されているか・・・


という環境変化の生きたドキュメントとして利用する場合の基礎図として、きわめて重要です。


そして、植物生態学の知識を基礎にした、生きている植物の診断のためのもと茎国的な決め手として重要な機能をもっています。


ところで、具体的にある地域の開発や保護、地域計画・都市計画に有効に利用されるためには、全国的な20万分の1あるいは5万分のお現存植生図だけでは不十分です。


ちょうど、イワシやサバをとる網とマグロをとる網とが違うように、十分に検査し、必要に応じて空中写真などを利用し、本来より縮尺度の小さい、精度が高くキメの細かい植生図.緑の現状診断図の作成がきわめて重要です。


たとえば、エネルギー庁では各電力会社が5万キロワット以上の水力・火力康子力発電所を建設する場合には、環境アセスメントの一貫として、その圏内の緑の現状診断図・現存植生図を作成することにしています。


神奈川県などでも、県条例によるアセスメントにおいて植生図は重要な調査項目としてとり上げられています。

自然による環境診断

日本でも、すでに種の組合せを基礎にし、地球的システムにつながる植物社会学的な群落単位による広域的な現存植生図が作成されています。


1967年から8年にわたって、文化庁で天然記念物保護の基礎資料として、大まかではありますが全国にわたって、日本ではじめて縮尺20万分の1の現存植生図が作成された。


すでにドイツをはじめヨーロッパでは、1930年代から本格的な植生図が作成されています。


第二次大戦中は一部、軍事的な利用目的も含めて広く作成されていました。


また同様の植生図は、他の諸国でも作成されています。


日本では、広域的には先に述べた文化庁による現存植生図が最初です。


その後、環境庁によって、急速な自然の荒廃・緑の消滅に対応して、従来の国立・国定公園の枠内に限らず、各都道府県に委託して、県別の現存植生図の作成がはじめられました。


そして、1974年に最初の植生図(20万分の1)が完成しました。


その後5年おきに見直しが行なわれ、1987年はじめ、日本全域の5万分の1の現存植生図作成のための調査は完了しています。

植生概念について 2

植生把握の方法も大まかに森林・草原・湿原あるいは農耕地という具合に、土地利用図とあまり違わないような分け方によるものもあります。


さらに、優占している植物を対象にして、アカマツ林・スギ植林・海岸砂丘植生などと分ける、相観的凡例による植生図の作成法もあります。


また、現地における植生調査区内に出現するすべての種の被度と群度を調べ、組成表の比較による種の組合せを基礎にして決定された局地的な植物群落単位による植生図もあります。


さらに、より広域的に種組成で比較し、地球的システムによって決められた群集、群団、オーダー、クラスなどの植物社会学的な群落単位を基礎にして描いた植生図があります。エグゼクティブトレードによると、広域的な植生調査資料の比較によって決定された植物社会学的な群落単位を基礎とした植生図化には、専門調査者による精度の高い現地調査が必要です。


資料の整理・図化には時間がかかります。


しかし、小縮尺による、このような植生図が完成すると、その立地の質的な環境の具現状態を把握する方法としてはもっとも適切なのです。

植生概念について

第一の植生は、まだ人間が影響を加える以前、また直前までの、その土地の自然環境の総和が緑の生物集団に総合化され具現している「原植生」です。


しかし、原植生は過去から現在まで長い時間的経過の間に様々な人間の影響を受け変化してきています。


そこで、現在私たちが生活し、利用し、新しく開発あるいは保護しようとする対象を「現存植生」といい、第ニの植生概念です。


さらに日本の国土の大部分のように、すでに文化景観域において現存植生が原植生からさまざまな代償植生・二次植生におきかわっている場合には、現時点で本来その土地が自然環境の総和としてどのような安定した緑・森林を形成する潜在能力をもっているかという点から理論的に考察した第三の植生概念が、チュクセンのいう「潜在自然植生」です。


ところで、裸の大地を被っている人間の命の共存者としての緑・植生の具体的な配分を一般市民の分かることばに翻訳したものを植生図といいます。


この翻訳図を作成する場合にその対象とする植生に、どの「植生」概念を適用するかによって、多種の植生図を描くことができます。


・・・つまり、「原植生復元図」、「現存植生図」、そして現時点での「潜在自然植生図」です。


また、植生図には、作成する目的により、小縮尺・中縮尺・大縮尺といろいろあります。

医療事故について

今回は医療事故に関する話です。


MR転職情報などでこれからMRになろうと考えている人にも関係のある話です。


医療事故の場合、そのトラブルのために何が起き、それがほかの人にどう影響し、そのためにどういう措置をとって問題を処理したかが重要なポイントになります。


打つ手を間違えたり、対処の仕方が不十分な場合、医事紛争になる可能性が高いので重々注意したいものです。


一方、院内においては、なぜミスが発生したのか、原因分析が必要です。


そのミスは


・判断の誤り


・計画が不完全


・不十分な手段


・・・のうちのどれか、またはその複合したものの場合が多いです。


いずれにせよキチッとしたミス分析は欠かすことができません。


そのチェック・ポイントは・・・


・その診療を実施するうえで必要なデータを収集・分析したか


・診療計画は適切であったか


・実行のタイミングはよかったか


・発生するであろう事態の予測と対策はできていたか


・診療途上のチェックを怠らなかったか


・適切な人材を配置したか


・十分な指導・監督を行ったか


・チームワークやコミュニケーションに問題はなかったか


・とられた措置に問題はなかったか


・・・など計画の段階から実行に移した時点までを分析し、原因を追究するのです。


要は再発防止です。


そのために経過と原因を明らかにし、再発防止策を検討・立案しましょう。


北見内陸

農業国としていつも十勝と対比される北見の内陸。


ここを何といって表現したら一番適切だろうかと、私はいつも途惑いを感じます。


地図の上で説明をするなら、千島火山脈と北見山脈の北面の傾斜地が、なだらかにオホーツク海にすべり込むあたりを、穀倉北見であるといえるでしょう。


しかし、緑のそよぐ夏の季節に、その農業地帯を縫って走る石北本線の車窓からの眺めは、どこにも北海道らしい山岳の姿も、原野や湖沼も見当りません。


一口にいうと北海道らしくない風土が、北見であるともいえそうです。


ある友人がいった、「北見に松と五重塔を置くと関西だ」と。


たしかに豊かに穂波をうつ水田や、きちんと白壁で囲った農家が、もっそりとした丘の連なりのあたりにひらけた風景は、少し荒々しくはありますが、大和平野の面影がなくもないですね。


一坪の水田もない釧路や根室よりも北に位置していながら、しかも冬は流氷にとじ込められるオホーツク海に面していながら、ここの気候は千島火山脈の南面よりも、春は半月早く訪れ、秋の霜のくるのも半月おそいのです。


北太平洋の妖婆が径しく吹きつけて、天日をかくす濃霧はここにはありません。


明るく晴れた日の多い国原なのです。


北海道でまだ札幌ツアーなどにしか参加していないような観光客にもおすすめの場所です。


海洋法制定へ 4

1970から73年までの間に開かれた海洋法の会議は、公式なものだけで469回をくだらず、その書類は膨大な量となりました。


しかし、それにもかかわらず、取り決めの提案レベルで、合意に達することができないままでした。


1958年のジュネーブ会議以降、海洋法は当初よりはるかに複雑怪奇なものとなり、委員会が費やした3年間という時間では、問題点をすべて洗い出し、提案にまとめることはできなかったのです。


さらに重要なのは、この3年間で、シー・ベッド委員会の参加国メンバーの意見の食い違いをまとめるのにさえいたらなかったということでした。


そうした状況であったにもかかわらず、国連総会は、しかるべき下準備は充分になされたと考え、新たな、第3次にあたる海洋法会議を招集することを決定しました。

海洋法制定へ 3

一方、先進諸国はこうした取り決めを結ぼうという国際的な動向を憂えていました。


しかし、彼らの時間稼ぎ術は効かなかったのです。


1969年、シー・ベッド委員会は、海床を管理する基本方針をまとめた宣言を起案しました。


それは、2年前パルドが声明したように、国家の管轄を超える海床と海底域は、「人類の共有遺産」であるという書き出しで始まっていました。


続いて、いかなる国家も、一方的にその地域を専有、あるいは資源の開発を行ってはなちないとし、これもパルドの主張にかなった内容でした。


その1年後、国連総会は108か国の賛成、24の棄権票をもって、この議案を採択しました。


これによって、地球上最後の無人地帯は、確固たる法的なステイタスを与えられることになったのです。


それ以後、この地帯は誰のものでもないというよりは、誰のものでもある、つまり全世界の共有域となったのです。

海洋法制定へ 2

パルドの演説は、連鎖反応をひき起こしました。


彼の呼びかけから数か月後の1967年12月、国連総会は、国家の管轄を超える海床と海底域の平和的利用を目的とした特別委員会を設置しました。


この機関は、のちにシー・ベッド(海床)委員会として知られるようになります。


1年後、委員会は、深海資源開発を調べるための、常設委員会を設けるよう勧告しました。


深海の問題が、工業先進諸国と第三世界との間に溝をつくっていることは、すでに明自でした。


開発途上国は諸手をあげて、パルドの考えを支持しました。


もし、深海の海床が本当に鉱物の宝庫であるとしたら、彼らは当然その分け前にあずかりたかったのです。


彼らは、価格と生産を管理する国際的な機関設立を呼びかけたパルドの提案にも賛同しました。


鉱物資源を輸出している第三世界諸国の市場経済が、深海の採鉱によって混乱せずにすむからです。

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