自然による環境診断 3
将来さまざまなエネルギー用地開発や工場立地、都市、住宅団地、道路奮の交通施設が建設される過程において、あるいは発電所・工場の稼働、有害等による直接の、また土壌・地下水の汚染を介する間の諸影響によって、移動能力のない個々の植物の集まりとしての植物群が急に消滅したり、退行・貧化したりする場合がでてくることがあるかもしれません。
その様な場合には、人間も含めた生物集団の生存状態や生態系に大きな影響を与えている危険性があります。
したがって、モニタリングによって、その後の時間の経過にともなう自然環境・生物環境の動態の把握を十分行う必要があります。
とくに発電所・工場だけでなく、道路・下水・廃棄物処理場などの建設後に、地下水位の低下、植林、農作物の被害、社寺林の荒廃、農作物生産量低下などが生じ、事業者が訴えられる事例がしばしばあります。
これはあとの調査結果だけでは水かけ論になります。
各種事業の建設着手以前に、事前アセスメントとしての緑の診断図・現存植生図の作成は、その後に紛争が生じた場合の公正な問題解決の基本としても、きわめて重要な前提条件といえます。
現存植生図は、緑の現状診断図としての機能を果たします。
つまり、それは自然利用計画・各種土地利用計画に応じ、さらに植生・生態系の質・対象に応じた保護地、面積の決定や施策の生態学的な判断基準の役割を果たす大きな力をもつのです。