共通農業政策の違法性 3
ECのような経済的・政治的大国が一致して主張すれば、98ガット規定がどうであれ、それは事実として認めざるをえなくなります。
パターソン(G.Patterson)の言葉を借りていえば、
「欧州における地域主義の流れを考えると、かりにガット締約国団がガットの法的要件をみたさないとの理由でこれを止めようと試みたとすれば、おそらくガットの方が崩壊したであろう」
・・・ということです。
共通農業政策がEC結合のかなめをなしている以上、ECは一歩も譲らないでしょう。
もっとも、それはひとりECに限ったことではありません。
これについて次のような是永東彦の指摘はきわめて示唆にとみます。
「アメリカの農業調整法とガットとの衝突において前者の方が強力であったことが証明されたとすれば、ローマ条約とガットとの衝突においてもやはり前者の力が後者の力を上回っていたことが証明されたといえよう」。
・・・・いずれにせよ、このような共通農業政策の実施によってECの農業保護は格段に強化されましました。
「可変課徴金の導入によって、関税換算の保護水準は、共通農業政策導入に先立つ8~9年前の約3倍となり、他の主要国における水準の数倍となった」
・・・といわれるように、ECは国際農産物市場の動向にわずらわされることなく、域内農業に対する手厚い保護を展開していったのです。
こうした可変課徴金による保護は、現在食肉、小麦、ミルククリーム、野菜など42品目に適用されており、域内主要農産物のほとんどを網羅しています。