共通農業政策の違法性
通常の関税に比べてはるかに強力な、事実上輸入禁止にひとしいような可変課徴金は一体ガット上どう位置づけられているのか、それを認めることはガット・システム全体を根本的に否定することにもなるのではないでしょうか。
この点はまさに可変課徴金問題の核心をなす点であり、事実、共通農業政策が発足した1962年から今日までたえずガットで争われてきた大問題でした。
共通農業政策の違法性をつき、その廃止ないし修正をはげしく迫る域外諸国一とくにアメリカーと、これに反論しその合法性を主張するEC諸国との見解は鋭く対立し、それは現在もいぜんとして続いています。
そこでの論点も形式的・技術的なものから本質的なものにいたるまできわめて多岐にわたっていますが、ここではそれには立ち入りません。
・・・ただ、ごく大まかに両者の基本的主張を要約すれば次のようになります。
まず、アメリカは可変課徴金は実質的には関税であり、しかもその導入によって実質的な農業保護率は格段に高められたのであるから、いずれの点からいってもガット違反は明白だとします。
これに対してECは可変課徴金・払戻金制度は内外価格差の「補正システム」であり、ガットの関税とは別個の、「独自の」法的範疇であると反論します。