植生概念について
第一の植生は、まだ人間が影響を加える以前、また直前までの、その土地の自然環境の総和が緑の生物集団に総合化され具現している「原植生」です。
しかし、原植生は過去から現在まで長い時間的経過の間に様々な人間の影響を受け変化してきています。
そこで、現在私たちが生活し、利用し、新しく開発あるいは保護しようとする対象を「現存植生」といい、第ニの植生概念です。
さらに日本の国土の大部分のように、すでに文化景観域において現存植生が原植生からさまざまな代償植生・二次植生におきかわっている場合には、現時点で本来その土地が自然環境の総和としてどのような安定した緑・森林を形成する潜在能力をもっているかという点から理論的に考察した第三の植生概念が、チュクセンのいう「潜在自然植生」です。
ところで、裸の大地を被っている人間の命の共存者としての緑・植生の具体的な配分を一般市民の分かることばに翻訳したものを植生図といいます。
この翻訳図を作成する場合にその対象とする植生に、どの「植生」概念を適用するかによって、多種の植生図を描くことができます。
・・・つまり、「原植生復元図」、「現存植生図」、そして現時点での「潜在自然植生図」です。
また、植生図には、作成する目的により、小縮尺・中縮尺・大縮尺といろいろあります。