北見内陸
農業国としていつも十勝と対比される北見の内陸。
ここを何といって表現したら一番適切だろうかと、私はいつも途惑いを感じます。
地図の上で説明をするなら、千島火山脈と北見山脈の北面の傾斜地が、なだらかにオホーツク海にすべり込むあたりを、穀倉北見であるといえるでしょう。
しかし、緑のそよぐ夏の季節に、その農業地帯を縫って走る石北本線の車窓からの眺めは、どこにも北海道らしい山岳の姿も、原野や湖沼も見当りません。
一口にいうと北海道らしくない風土が、北見であるともいえそうです。
ある友人がいった、「北見に松と五重塔を置くと関西だ」と。
たしかに豊かに穂波をうつ水田や、きちんと白壁で囲った農家が、もっそりとした丘の連なりのあたりにひらけた風景は、少し荒々しくはありますが、大和平野の面影がなくもないですね。
一坪の水田もない釧路や根室よりも北に位置していながら、しかも冬は流氷にとじ込められるオホーツク海に面していながら、ここの気候は千島火山脈の南面よりも、春は半月早く訪れ、秋の霜のくるのも半月おそいのです。
北太平洋の妖婆が径しく吹きつけて、天日をかくす濃霧はここにはありません。
明るく晴れた日の多い国原なのです。
北海道でまだ札幌ツアーなどにしか参加していないような観光客にもおすすめの場所です。