海洋法制定へ 3
一方、先進諸国はこうした取り決めを結ぼうという国際的な動向を憂えていました。
しかし、彼らの時間稼ぎ術は効かなかったのです。
1969年、シー・ベッド委員会は、海床を管理する基本方針をまとめた宣言を起案しました。
それは、2年前パルドが声明したように、国家の管轄を超える海床と海底域は、「人類の共有遺産」であるという書き出しで始まっていました。
続いて、いかなる国家も、一方的にその地域を専有、あるいは資源の開発を行ってはなちないとし、これもパルドの主張にかなった内容でした。
その1年後、国連総会は108か国の賛成、24の棄権票をもって、この議案を採択しました。
これによって、地球上最後の無人地帯は、確固たる法的なステイタスを与えられることになったのです。
それ以後、この地帯は誰のものでもないというよりは、誰のものでもある、つまり全世界の共有域となったのです。