海に眠る資源 4
市場価格だけが、心配の種ではありませんでした。
同じように重要であったのは、法的な関わり合い、特に所有者の問題でした。
1960年代から70年代初頭にかけて企業が調査にのり出したとき、深海は誰のものでもなく、したがって、団塊はそれを採取しようとする誰のものにでもなりえる、という主張がありえたはずでした。
ジュネーブ会議では、「海床にある天然資源の開発が可能なかぎりの」深さまでの範囲を大陸棚としました。
これは、採鉱技術さえ開発されれば、深海もその採掘国の管轄下にはいることを意味するのでしょうか?
確かなところは誰もわかりませんでした。
マルタの国連大使アーヴィッドは、工業先進国は時を待たずして、海洋資源の所有について自ら答えを出してしまうかもしれないと懸念していました。
深海(の占有権)が早い者勝ちとなるのは明らかで、このまま何もしなければ、歴史がいつも繰り返してきたように、最も国力のある大国がいちばん美味しいところを取得してしまうだろうと彼は考えていました。
マルタは、国連加盟国の中で最も小さい国の1つですが、この大使は口調は柔らかくとも、大国のエゴがいつでもまかり通るのはまちがっていると考えていました。
結局、国連は何もしていないと彼は結論づけたのです。
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